近年注目を浴びているのがケトジェニックダイエット。
アスリートやボディメイクするトレーニーを中心に、取り組まれている食事法です。ダイエット効果が高いと話題になったことから、一般の人の間でも流行ってきています。
ただし、ケトジェニックダイエットは正しいやり方でやらなければ、体を壊す原因となるので注意が必要です。
正しいやり方や、食べていいものを紹介していきますので、参考にしてみてください。
ケトジェニックダイエットとは
ケトジェニックダイエットとはエネルギーとなる炭水化物の摂取量を減らして、脂質をエネルギーとして利用するダイエット法です。
糖質制限することで体の中にケトン体が増加し、これをエネルギー源として利用します。普段の油っぽい食事で蓄えてしまった脂質を、有効利用できるのが特徴です。
食事バランスも脂質を上手に利用できるように、脂質とタンパク質を中心に摂取していきます。
ケトジェニックダイエットは偏った食事法になるため、専門家や医師の指示のもとで行うのがおすすめです。
1日に摂取する糖質量
ケトジェニックダイエットでは、糖質量を1日に摂取するエネルギーの10%以下に収めるようにしましょう。
成人男性や女性であれば、おおよそ40g~60gほどが目安となります。
40gというと茶碗軽く一杯のお米と一緒です。1日の糖質摂取量を、かなり制限しなければならないのが、わかるのではないでしょうか。
糖質は米や、麺、パン以外にも多くの食品に含まれているので、食べるものにも気を付ける必要があります。
長期的に取り組むと身体を害するという研究報告もあるため、短期的に行うのがおすすめです。
ケトジェニックダイエットのやり方
それでは正しいケトジェニックダイエットのやり方を紹介していきます。
しっかりと摂取すべき量や、カロリーを計算してから行うようにしましょう。
摂取カロリーを計算する
ダイエットを成功させるためには、1日に消費しているカロリーより摂取カロリーを減らす必要があります。
下記が年齢別の1日に推奨されている摂取カロリーです。
男性
低い(Ⅰ) | 普通(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) | |
18~29歳 | 2,300kcal | 2,600kcal | 3,050kcal |
30~49歳 | 2,300kcal | 2,700kcal | 3,050kcal |
50~64歳 | 2,200kcal | 2,600kcal | 2,950kcal |
65~74歳 | 2,050kcal | 2,400kcal | 2,750kcal |
75歳以上 | 1,800kcal | 2,100kcal | – |
参考資料:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
女性
低い(Ⅰ) | 普通(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) | |
18~29歳 | 1,700kcal | 2,000kcal | 2,300kcal |
30~49歳 | 1,750kcal | 2,050kcal | 2,350kcal |
50~64歳 | 1,650kcal | 1,950kcal | 2,250kcal |
65~74歳 | 1,550kcal | 1,850kcal | 2,100kcal |
75歳以上 | 1,400kcal | 1,650kcal | – |
参考資料:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
体重や基礎代謝、運動量によって異なりますので、参考値としてください。運動や、トレーニングせずに出勤や、家事のみの人は「普通」で見てください。
体重1kg減量するには7,200kcal消費する必要があります。
1日あたり削減するカロリーは下記のとおりです。
計算例 7,200(kcal)÷30(日)=240kcal
一か月で1キロ体重を落としたい人は、表のカロリーから240kcalほど少なく摂取するようにしましょう。
カロリーについては、「ダイエット時に重要なカロリー制限について」も参考にしてください。
PFCバランスを計算する
摂取カロリーが求められたら、PFCバランスを計算していきます。
PFCバランスとはタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとり、どのくらいの割合で摂取するかを表わしたものです。
ケトジェニックダイエットでは「P:F:C=3:6:1」にしましょう。
1日の摂取カロリーが1,500kcalの人は、下記のとおりとなります。
カロリー(kcal)
- タンパク質 450kcla
- 脂質 900kcal
- 炭水化物 150kcal
グラム(g)
- タンパク質 112.5g
- 脂質 100g
- 炭水化物 37.5g
カロリーをグラムに変換するときは、タンパク質4kcal・脂質9kcal・炭水化物4kcalで割ってください。
良質な脂質を摂取する
ケトジェニックダイエットは脂質の摂取量減らして、タンパク質と脂質をしっかり摂取することが重要です。
脂質には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類あります。
不飽和脂肪酸は魚や、植物に含まれている脂肪です。
なかでも魚や、植物に含まれている不飽和脂肪酸は体内で生成できないため、必須脂肪酸と言われています。
オリーブオイルに含まれているオレイン酸には、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げる効果があり、魚に含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)には動脈硬化や、血栓を防ぎ血圧を下げるのが特徴です。
ケトジェニックダイエット中は、良質な油とも言われている不飽和脂肪酸を意識して摂取するようにしましょう。
脂質については、「ダイエットにおすすめの油の種類と効果について」も参考にしてください。
ケトジェニックダイエットの効果が出るまでの期間
ケトジェニックダイエットはすぐに効果が出るわけではありません。
効果を感じられるようになるには個人差ありますが、1~2週間ほどかかります。これは体内がケトーシス状態になるまでに時間がかかるからです。
ケトーシス状態とは糖質からエネルギーが作られなくなった時に、脂質を利用する状態のことを言います。
まずは身体が炭水化物を利用できない状態になるように、糖質の摂取量をコントロールするようにしていきましょう。
ケトジェニックダイエットで痩せない理由は?
ケトジェニックダイエットを始めたけれども、なかなか痩せないと感じる人もいるのではないでしょうか。
糖質の摂取量が多くなってしまっていることや、消費カロリーよりも摂取カロリーが多くってしまっていることが考えられます。
糖質はフルーツや、イモ類、乳製品といろいろなものに入っているので、食べる前の確認が重要です。
摂取カロリーが多くなっている人は、運動量を増やしてみましょう。消費カロリーも多くなり、筋肉もつくので太りにくく痩せやすい身体になっていきます。
ケトジェニックダイエットで食べていいもの
ケトジェニックダイエットでは、良質な脂質が含まれている食品を食べることが重要です。
おすすめの食品を紹介しますので、食事に取り入れてみてください。
おすすめの食品
ケトジェニックダイエット中におすすめの食品は下記のとおりです。
・肉類
鶏肉、豚肉、牛肉、ラム肉、ベーコン、ハム、ソーセージ
・魚類
サーモン、鯛、まぐろ、たら
・魚介類
あさり、牡蠣、かに、ほたて
・卵
・野菜
カリフラワー、キャベツ、アボカド、ブロッコリー、ピーマン、なす、トマト、アスパラガス、きゅうり、玉ねぎ、きのこ、ほうれん草、レタス
・食用油
バター、ココナツオイル、オリーブオイル、ラード、マヨネーズ
・乳製品
生クリーム、チーズ、クリームチーズ、サワークリーム
・ナッツ
アーモンド、ピーナッツ、マカダミアナッツ、ピーカンナッツ、ヘーゼルナッツ、くるみ
イモ類やフルーツ、豆類には糖質が含まれているので、食べないようにしましょう。
飲み物を飲むときの水や、無糖のお茶を飲むのがおすすめです。コーヒーはダイエットにも良いですが、ブラックで飲むようにしてください。
食品については下記の記事も参考にしてください。
- ダイエットにおすすめの野菜と栄養を紹介
- 魚を食べるメリットとは?健康に良い種類も紹介
- 【焼肉ダイエット】おすすめの部位は?食べるときの注意点も紹介
- ダイエットにおすすめの果物とは?効果的な理由も解説
- ダイエット中のナッツの適正量は?おすすめの種類も紹介
- ダイエットに効果的なコーヒーの飲み方とは?気になる効果も解説
プロテインやサプリメントを飲むのもおすすめ
ケトジェニックダイエットでは炭水化物を摂取しないため、タンパク質非常に多く摂ることが重要です。
1日にタンパク質100g以上を摂るとなると、鶏胸肉で例えると500g以上食べる必要があります。さすがに1日で食べるとなると厳しいと感じる人もいるのではないでしょうか。
プロテインを飲むことで、簡単にタンパク質の摂取ができます。足りないビタミンなどもサプリメントで補うのもおすすめです。
下記にケトジェニックダイエット中におすすめのプロテインを紹介します。
【Myprotein(マイプロテイン)】ホエイ・Impact ホエイプロテイン
成分(1食あたり)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
103kcal | 21g | 1.9g | 1.0g |
トレーニーの間で高い支持を受けているのがMYPROTEINです。
必須アミノ酸でもあるBCAAを4.5gも含まれており、筋肥大に重要な栄養素を多く含んでいます。余計ない脂質やカロリーを抑えているため、ダイエットしている人にも人気です。
水にも溶けやすく、しっかりとした甘みもついているため、デザート感覚で楽しめます。
1袋250gから最大で5kgで購入ができるので、継続的に飲む人は大きいほうを購入したほうがコスパも良くおすすめです。
【VALX 】ホエイプロテイン WPI パーフェクト
成分(1食あたり)
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 |
94kcal | 23g | 0.2g | 0.08g |
メジャーリーガー多数指導のトレーナー界のレジェンド・山本義徳が完全プロデュースしたホエイプロテインです。
プロテインと言えばタンパク質という想いを胸に、驚異のタンパク質含有率96.4%を実現。
脂質や炭水化物量を極限まで抑えて、タンパク質の摂取することに重点を置いています。
サラサラとしたのど越しで、トレーニング後にもピッタリの味わいです。
ほかにもプロテインも紹介していますので、「目的別おすすめの人気プロテインを紹介」も参考にしてください。
ケトジェニックダイエットの注意点
ケトジェニックダイエットは偏った食生活となるため、気を付けなければならないこともあります。
ここでは注意点をまとめますので、参考にしてください。
水分補給を心がける
ケトジェニックダイエットは余分な水分も体外へ排出されるため、のどが渇きやすくなります。
水分をいつも以上に意識して摂取するようにしましょう。ダイエット中は多く水を飲むことで体外に毒素が排出されていきます。
体内の循環を良くするためにも、1日に2リットル以上は水を飲むのがおすすめです。
飲み物を選択するときも真水か、無糖のお茶にしましょう。ソフトドリンクや、砂糖の入ったコーヒーには糖質が含まれているため、飲まないようにしてください。
極端に減らすと体調不良になることもある
炭水化物を極端に減らしてケトーシス状態に入ると、人によっては頭痛や、倦怠感、筋肉痛、吐き気、下痢などの症状に見舞われることもあります。
1~2週間ほどすると身体が慣れてきますが、症状がつらい場合には中断するようにしましょう。
ダイエットは人によって合うやり方と、合わないやり方があるので、様々な方法を試してみるのがおすすめです。
食事制限法はケトジェニックだけでなく、ローファットのように脂質を制限する方法もあります。
精神的に不安定になることもある
ケトジェニックダイエットを始めると、気分の浮き沈みが激しくなることもあります。これは気分や、睡眠、食欲を安定させる神経伝達物質、セロトニンの生成に必要な炭水化物の摂取量が減るためです。
また、食事制限もしているため、さらにストレスが溜まっていくこともあります。
精神的につらい人は無理せずに、ほかの方法でダイエットにチャレンジしていきましょう。
正しいケトジェニックダイエットのやり方で実践しよう!
ケトジェニックダイエットを成功させるためには糖質を摂取カロリーの10%以下に設定し、脂質とタンパク質でコントロールしていくことが重要です。
また、脂質を摂取するときも良質な油である、不飽和脂肪酸の含まれている食品を積極的に食べるようにしましょう。健康面でもLDLコレステロールの低下や、動脈硬化の予防に効果があります。
ぜひケトジェニックダイエットで、理想の身体を手に入れてください。
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参照文献