身体を大きくするうえで欠かせないのが増量期。増量期には3種類のバルクアップ法があり、中でもダーティーバルクは、とにかく身体を大きくしたい人に向いている方法です。
そんなダーティーバルクをどのようなやり方でやるのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。
ダーティーバルクのやり方や、メリット、デメリットを解説していきます。
ダーティーバルクとは?
ダーティーバルクは身体を大きくするためのバルクアップの一つで、食べるものを制限かけずに、なるべく多くのカロリーを摂取する増量法です。
食べるものはジャンクフードや、揚げ物、お菓子、何でもよいので、とにかく量を食べて増量していきます。食べるものの制限もないためストレスフリーででき、短期間で効率よく体重を増やすことが可能です。
ダーティーバルクは他のバルクアップ法と違い体脂肪もつきやすくなりますが、アスリートや、ボディービルダーも取り入れています。
他のバルクアップとの違い
バルクアップにはダーティーバルクを含め、リーンバルク、クリーンバルクの3種類あります。各バルクアップの違いを解説していきますので、参考にしてください。
リーンバルクとの違い
リーンバルクとは摂取カロリーと消費カロリーを計算したうえで行う増量法です。計画的に増量していくので、脂肪もつきにくく、見た目を維持したままバルクアップできます。低脂質・高タンパクなものを中心に、食品にもこだわるのがポイント。ただし、脂肪がつかないように増量していくため、体重を増やすまでに時間がかかってしまうのがデメリットです。
ダーティーバルクは食べるものにも制限がなく、好きなものを食べながら、短期間で増量していきます。リーンバルクとは正反対と言える増量法です。
リーンバルクは「リーンバルクとは?やり方やPFCバランス・カロリーの計算方法も解説」も参考にしてください。
クリーンバルクとの違い
クリーンバルクとはリーンバルクと同じく低脂肪・高タンパクなものを中心に食べて増量する方法です。ただし、摂取カロリーの制限はないため、量は気にせずに好きなだけ食べられます。
ダーティーバルクとクリーンバルクの違いは、食べられる食品です。ダーティーバルクは何を食べても良いのに対し、クリーンバルクでは脂質の少ないものを選んで食べていきます。
クリーンバルクのほうがボディメイクしている人には適していると感じるかもしれませんが、人によってはダーティーバルクするのが効率よくおすすめです。
クリーンバルクは「クリーンバルクとは?正しいやり方やPFCバランスも解説」も参考にしてください。
ダーティーバルクのメリット
ダーティーバルクのメリットは大きく3つあります。各メリットを深堀して解説していきますので、参考にしてください。
好きなものを好きなだけ食べられるのでストレスフリー
ダーティーバルクは他のバルクアップ法と違い、必要なタンパク質量だけ摂取すればよいので、食べられる食品や、量に制限がありません。食べる物はジャンクフードをはじめ、揚げ物、お菓子と、何でも食べられます。また、カロリー制限もまったくありません。
他の増量では制限があるものの、ダーティーバルクでは全くないため、ストレスフリーでできるのが魅力です。
食事に気を使わなくても良い分、筋トレに集中して取り組むようにしましょう。
短期間で増量しやすい
ダーティーバルクは食べる物に制限がないため、ハイカロリーなものを多く食べられます。摂取カロリーを多くしやすいので、増量も短期間でできるのがメリットです。とにかく何でもよいので食べるため脂肪はつきやすいですが、短期間で増量しなくてはならない人は、ダーティーバルクを取り入れましょう。
ダーティーバルク中は、とにかくカロリーを多く摂ることがポイントです。ハイカロリーな食品を中心に選ぶようにしましょう。
計算や栄養管理の手間がない
リーンバルクでは体重を急激に増やさないように、摂取カロリーと消費カロリーを計算して食事していきます。また、カロリーを摂りすぎないように、低脂質な商品を選んで食べることが重要です。
ダーティーバルクは最低限のタンパク質摂取量を守れば良いので、カロリー計算や栄養管理する手間がありません。また、ダーティーバルク中はタンパク質量をそこまで気にしなくても、摂取量をクリアしやすいのも魅力です。
ダーティーバルクのデメリット
ダーティーバルクは好きなものを好きなだけ食べて、短期間で増量できるのが魅力ですが、デメリットとなってしまうこともあります。ダーティーバルク中のデメリットを紹介していきますので、参考にしてください。
体脂肪も多く付いてしまい減量が大変
ダーティーバルクでは消費カロリーよりも、摂取カロリーを多くするために、ハイカロリーな食品を食べる必要があります。また、短期間で目標を達成するためには、とにかく量を食べることも大切です。
ハイカロリーな食品にはジャンフードや、揚げ物などの脂質がたっぷりの食品が多いため、脂肪もつきやすくなります。減量期に入ると筋肉を維持しながら、脂肪を落とす必要があるため、大変になってしまうのがデメリットです。
体調が悪くなってしまうこともある
ダーティーバルク中はとにかく量を食べ、オーバーカロリーをキープする必要があります。オーバーカロリーは胃腸への負担も大きくなるため、人によっては体調が悪化してしまうこともあるので注意が必要です。体調が悪くなった時は、すぐに中止ししましょう。
また、ダーティーバルク中はハイカロリーなものを多く食べることになりますが、野菜も意識して食べるようにしましょう。野菜にはビタミンなどの栄養素が多く含まれているため、健康状態をキープするのに効果的です。
見た目が悪くなってしまう
ダーティーバルクすると、必要以上の脂肪が身体につきます。体重が増えていくと、太ったと勘違いされてしまうことも。
見た目的には太ったように見えてしまうかもしれませんが、筋トレしていれば、どんどん筋肉もついていっています。見た目も気になってしまうこともあるかもしれませんが、とにかく目標の体重まで、食べ続けることが重要です。
ダーティーバルク中は身体を大きくするための期間と割り切り、見た目を気にしないようにしましょう。
ダーティーバルクが向いている人
ダーティーバルクのメリット・デメリットをふまえて、向いている人は下記の通りです。
- 短期間で増量したい人
- なかなか食べても太れない人
- 増量期が停滞してきた人
- 体重を増やさなければならない人
リーンバルクやクリーンバルクで増量している人の中には、なかなか思ったように太れない人もいるのではないでしょうか。この場合には脂質量を増やして、ハイカロリーな食事に変えたほうが、一気に体重が増えることもあります。
また、体重が増えていたけれども、停滞してしまったという人も、ダーティーバルクを取り入れましょう。
ダーティーバルクのやり方
ダーティーバルクではカロリーを気にする必要はあまりありません。しかし、増量するためには最低限として、消費カロリーを知っておくことが重要です。増量は消費カロリーよりも、摂取カロリーを多くする必要があります。消費カロリーの計算方法を解説していきますので、計算してみてください。
消費カロリーを計算する
カロリー計算する時には基礎代謝と、消費カロリーを求める必要があります。
基礎代謝の計算方法は、下記の通りです。
男性: 13.397 × 体重kg + 4.799 x 身長cm – 5.677 × 年齢 + 88.362
女性: 9.247 × 体重kg + 3.098 x 身長cm – 4.33 × 年齢 + 447.593
基礎代謝の計算は非常に複雑です。計算するのが面倒な人は、体組成計を利用するのがおすすめです。体組成計の上に乗るだけで簡単に基礎代謝を測れます。
次に日々の消費カロリーを計算しましょう。
消費カロリーの計算方法は、下記の通りです。
METs × 体重(kg) × 時間 × 1.05 = 消費カロリー(kcal)
行動 | MET’S |
自宅の掃除(楽な労力) | 2.3 |
料理 | 3.3 |
子供の世話 | 2.5 |
デスクワーク | 1.3 |
ウォーキング | 3.5 |
サイクリング | 6.8 |
水泳(楽な泳ぎ) | 5.8 |
参照先:身体活動のメッツ(METs)表
METsとは運動強度のことで安静時を1として、それよりもどのくらいツラいのかを表わしています。
消費カロリーは一つひとつの行動を計算することで、正確な数値が出せます。
最後に基礎代謝と消費カロリーを合わせて、1日のカロリーを求めましょう。
タンパク質は体重1kgあたり2g摂取する
ダーティーバルクでは食べる物に制限はありませんが、タンパク質量だけは最低限とるべき量があります。
1日に摂取すべきタンパク質量の基準は、体重1kgあたり2gです。体重70㎏の人であれば、140gを摂取しましょう。
タンパク質140gというと、鶏胸肉700g相当です。もちろん他の食品からもタンパク質を摂取しているので鶏胸肉だけではありませんが、中には摂るのがきついと感じている人も多いと思います。
摂取するのが難しい人はプロテインも活用して、最低限必要量は摂るようにしましょう。
タンパク質は「筋トレ後はタンパク質を摂取しよう!目安量や摂取のコツも解説」も参考にしてください。
ダーティーバルクする時のポイント
リーンバルクを成功させるためのポイントを紹介していきます。これからリーンバルクを始める人は、取り入れてみてください。
消化に良いハイカロリーなものを選ぶ
ダーティーバルク中は高カロリーな食品を多く食べます。高カロリーな食品は脂質が多いものも多いので、胃腸への負担も大きくなるので注意が必要です。特に揚げ物やジャンクフードを耐え続けると胃もたれを起こし、食事もできなくなってしまいます。
基本的には食べる物に制限はありませんが、なるべく消化に良いハイカロリーな食品を選択しましょう。また、油モノを食べる時には、胃もたれしにくい油を使ったものを食べるのがおすすめです。
目標を決めて行う
ダーティーバルクは身体への負担が大きいため、目標を決めてから行いましょう。目標は体重で設定したり、ベンチプレスなどの最大挙上重量を上げられるまでにしたりします。
ダーティーバルク終了後はクリーンな食事に戻しましょう。ダーティーバルクは不健康的な食生活になりがちなので、栄養価の高い食事に戻すことが重要です。また、体脂肪がつきすぎてしまった場合には、筋肉を維持しながら体重を落とすようにしましょう。
筋トレも欠かさずに行う
体重を増やすことが目的だけであれば、食べる量を調整すれば問題ありません。しかし、ボディメイクを目的として増量したい人は、筋トレも合わせて行うようにしましょう。
増量期の間は身体に多くの栄養素が行き渡っているため、筋肉の成長も良いのが魅力です。この時に筋トレも合わせて行うことで、筋肉もどんどん付くので、さらに良い体型になっていきます。
特に高負荷のトレーニングと相性が良いので、ウエイトマシンを利用して筋トレしていきましょう。
ダーティーバルクと合わせて行いたい筋トレ種目
リーンバルク時にはBIG3のような高負荷のトレーニングすることで、効率よく筋肉を付けられます。リーンバルク中におすすめのトレーニングを3種類紹介しますので、ぜひ試してみてください。
ベンチプレス
ベンチプレスは胸周りや、二の腕を鍛えるトレーニングです。主にバストアップや、分厚い胸板、引き締まった二の腕を作る効果があります。
ベンチプレスのやり方は、下記のとおりです。
- バーベルの真下に目線が来るように、ベンチに仰向けで寝る
- 床に両足をつけ、マットに頭・背中、お尻をくっつける
- バーベルを下ろした時に肘が90度になる位置でバーを握る
- ラックアウトして、胸の一番高い位置に動かす
- 肘を曲げながら、バーベルが胸につくまで下ろす
- バーベルを元の位置まで持ち上げる
バーベルを持ち上げるときに手首が曲らないように注意しましょう。手首が曲ってしまうと、うまく力が伝わりません。
バーベルを下ろすときには左右のバランスに気を付けてください。慣れるまでは左右差が出てしまい、先に利き腕だけ疲れてしまうこともあります。
ベンチプレスについては「【胸の筋トレ】ベンチプレスのやり方と効果を高める方法」も参考にしてください。
スクワット
スクワットは下半身を中心に鍛えるトレーニングです。主に大腿四頭筋や、ハムストリングス、大殿筋を鍛えていきます。
スクワットのやり方は、下記の通りです。
- 脚を肩幅に開く
- お尻を後ろに引きながら、太ももが床と平行になるまでしゃがむ
- ゆっくりと立ち上がる
しゃがんでいくときは、膝がつま先よりも前に出ないように、お尻を後ろに引きながらするのがポイントです。
また、内股になってしまわないように、しっかりと足を開いてするようにしましょう。
スクワットについては「ヒップアップにはスクワット!美尻に効果的なやり方も紹介」も参考にしてください。
デッドリフト
デッドリフトは腰回りの筋肉を鍛えるトレーニングです。デッドリフトすることで腰痛の予防や、姿勢改善にも効果があります。
デッドリフトのやり方は下記のとおりです。
- 足を肩幅に開いて立ち、バーベルを順手で握る
- スネと太ももに沿わせながら、バーベルを持ち上げる
- 持ち上げきったら、床にゆっくりと下ろす
腕の力を使ってバーベルを持ち上げるのではなく、腰と足を使って上げるのがポイントです。バーベルを下ろすときは膝を曲げながら、ゆっくりと下ろすようにしましょう
デッドリフトについては「【背中の筋トレ】デッドリフトの正しいやり方と効果を高める方法」も参考にしてください。
クリーンバルクの時の筋トレメニューの作り方
クリーンバルクは身体を大きくすることが目的です。筋トレする時も目的に合った負荷でするようにしましょう。
筋肥大に適したトレーニングメニューは、下記の通りです。
負荷 | 回数 | セット数 | インターバル |
8~12RM | 8~12回 | 3~5セット | 1分~1分30秒 |
RMとは「レペティション・マキシマム」の略で、最大反復回数のことです。例えば10RMの場合には、10回で限界に達して、11回目ができない重量となります。
週に2,3回ほど筋トレするのが理想ですが、効率よく筋肉を付けたい人は、分割法を取り入れてみましょう。部位別に鍛えることで負荷が大きくなり、効率よく筋肥大させることが可能です。
負荷・回数・セット数・インターバルは下記の記事も参考にしてください。
ダーティーバルクでバルクアップしよう!
ダーティーバルクの正しいやり方や、メリット・デメリットを紹介しました。
ダーティーバルクはカロリー制限がないため、好きなものを好きなだけ食べて行うバルクアップ法です。短期間で効率よく体重増やしたい人に向いています。また、他のバルクアップ法とは異なり、カロリー計算もいらないため、ストレスフリーでできるのも魅力です。
体重が増えなくて困っている人は、当記事を参考にしてダーティーバルクを取り入れてみてください。
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参照文献