テニスのパフォーマンスを向上させるためには練習だけでなく、ウエイトトレーニングすることも重要です。強いスマッシュや、軽やかなステップワークを可能にするためには、筋トレで基礎筋力をつける必要があります。
当記事ではジムでおすすめのウエイトトレーニングや、メニューの作り方を紹介していきますので、参考にしてみてください。
テニスで必要な筋肉
テニスで強いスマッシュや、軽快なフットワークなどのパフォーマンスを向上させるためには、必要な筋肉を理解する必要があります。
テニスで必要な筋肉や、役割を紹介していきますので、参考にしてください。
上半身の筋肉
テニスで必要な上半身の筋肉は、下記の通りです。
- 大胸筋(胸)
- 広背筋(背中)
- 三角筋(肩)
- 回旋筋腱板(ローテーターカフ・肩)
大胸筋や広背筋はスマッシュや、サーブを打つ時など、上から下への縦の動きに対して働く筋肉です。ボールを強く打てるようになるためには胸と、背中の筋肉を鍛える必要があります。
回旋筋腱板は肩のインナーマッスルと呼ばれる筋肉です。ラケットを振ることは肩へのダメージも大きくなるので、ケガしやすくなります。ケガを予防するためにも、インナーマッスルも鍛えておきましょう。
下半身の筋肉
テニスで必要な下半身の筋肉は、下記の通りです。
- 大腿四頭筋(もも前)
- ハムストリングス(もも裏)
- 大殿筋(お尻)
- 内転筋(内もも)
- 下腿三頭筋(ふくらはぎ)
下半身の筋肉を鍛えることは、ステップワークの向上に効果的です。テニスは左右の動きや、前後の動きが多くなります。特にふくらはぎは、一歩目を強く踏みだすためにも重要な筋肉です。
テニスは試合時間が長時間になることも多くなります。ジャンプや切り返しは脚への負担も大きくなるため、耐えられるだけのカラダづくりが重要です。パフォーマンスの向上だけでなく、ケガを予防するために下半身のウエイトトレーニングはしておきましょう。
体幹の筋肉
テニスで必要な体幹の筋肉は、下記の通りです。
- 腹直筋
- 腹斜筋
- 腹横筋
テニスは身体をひねりながら、スマッシュを打ちます。強くボールを打つためには、ひねる力も重要となるため、腹斜筋を鍛えることが重要です。また、腹斜筋はスマッシュを打つ時に、強い負荷がかかります。強い負荷がかかってもケガしないように、鍛えておくようにしましょう。
テニスはボールを打つ時には筋力だけでなく、バランス力も必要です。バランス力をつけることで安定感が増し、バランスを崩した状態でもしっかりと打ち返せるようになります。
ジムでおすすめのウエイトトレーニング
ここではテニスでパフォーマンスの向上や、ケガ予防に効果的なトレーニング種目を紹介していきます。部位別におすすめのウエイトトレーニングを紹介していきますので、参考にしてみてください。
スクワット
スクワットは下半身を中心に鍛えるトレーニングです。主に大腿四頭筋や、ハムストリングス、大殿筋を鍛えていきます。
スクワットのやり方は、下記の通りです。
- 両足を肩幅より少し広く開き、つま先を外側に向ける
- 息を吸いながら、お尻を突き出し、膝を曲げてゆっくりと下がる
- 太ももが地面と平行になるまで下がったら、息を吐きながら、力を入れて立ち上がる
- 立ち上がったら、また息を吸って2から繰り返します。
スクワットする時は膝がつま先よりも前に出ないようすることと、背筋を伸ばして姿勢を保つことを意識しましょう。
スクワットは「ヒップアップにはスクワット!美尻に効果的なやり方も紹介」も参考にしてください
ランジ
ランジもスクワット同様に、下半身を鍛えるトレーニングです。主に大腿四頭筋や、ハムストリングスを中心に鍛えられます。
ランジのやり方は、下記のとおりです。
- 脚を前後に開く
- 前脚が90度になるまで膝を曲げながらしゃがむ
- 元の姿勢に戻る
反対側の脚も同様に鍛えていきます。
前膝が内側に入らないように、つま先に向かって真っすぐと曲げるようにしましょう。内側に入っていってしまうと、膝を痛める原因となってしまいます。
ランジは横に開くサイドランジ、後ろに足を出すバックランジなどのバリエーションも多くあるのが特徴です。バスケでは様々な方向に動くので、色々な種類のランジを取り入れてみてください。
ランジについては「【脚痩せ筋トレ】ランジのやり方や効果的に鍛える方法を紹介」も参考にしてください。
カーフレイズ
カーフレイズはふくらはぎを鍛えるトレーニングです。ふくらはぎは切り返しや、ステップワーク時に大きく負荷のかかる筋肉でもあります。
カーフレイズのやり方は、下記の通りです。
- 足を腰幅に開き立つ
- 背伸びするように、かかとを浮かせる
- 元の位置に戻す
カーフレイズする時は台の上に立ち、かかとを浮かせた状態で行うのがおすすめです。床の上でする時は、かかとが付かないところまで下ろすようにしましょう。また、かかとを上げるときは、お尻の穴を占めるようにしてあげるのがおすすめです。
ヒップスラスト
ヒップスラストはお尻を鍛えるトレーニングです。バーベルを使って鍛えるため、高重量・高負荷でできます。
ヒップスラストのやり方は、下記の通りです。
- ベンチやステップなど、座面があるものに腰掛け、バーベルを腰の上に置く
- 足を肩幅に開き、つま先は外側に向ける。
- 膝は曲げた状態で、かかとを床につける
- 腰を浮かせて、バーベルを持ち上げる
- 息を吸いながら、膝を曲げ、お尻を床に下ろす
腰に乗せたバーベルを持ち上げた時は、背中をまっすぐに伸ばすようにしましょう。背中が反った状態になってしまうと負担が大きくなってしまうので、注意してください。
ベンチプレス
ベンチプレスは胸周りや、二の腕を鍛えるトレーニングです。
ベンチプレスのやり方は、下記のとおりとなります。
- バーベルの真下に目線が来るように、ベンチに仰向けで寝る
- 床に両足をつけ、マットに頭・背中、お尻をくっつける
- バーベルを下ろした時に肘が90度になる位置でバーを握る
- ラックアウトして、胸の一番高い位置に動かす
- 肘を曲げながら、バーベルが胸につくまで下ろす
- バーベルを元の位置まで持ち上げる
バーベルを持ち上げるときに手首が曲らないように注意しましょう。手首が曲ってしまうと、うまく力が伝わりません。
バーベルを下ろすときには左右のバランスに気を付けてください。慣れるまでは左右差が出てしまい、先に利き腕だけ疲れてしまうこともあります。
ベンチプレスについては「【胸の筋トレ】ベンチプレスのやり方と効果を高める方法」も参考にしてください
ラットプルダウン
ラットプルダウンは背中を鍛えるウエイトマシーンです。
ラットプルダウンの使い方は、下記のとおりとなります。
- フットバーの下に脚をいれ、固定できる位置に調整する
- 一度立ち上がり、バーを肩幅から拳2つ分くらいの位置で握る
- バーを握ったまま、イスに座る
- 鎖骨に向かってバーを下ろす
- 肘を伸ばしながらバーを戻す
バーを下ろすときに、背中が丸まらないように注意しましょう。バーを戻すときには重さに頼らずに、ゆっくりとコントロールしながら戻してください。
ラットプルダウンについては「ラットプルダウンのやり方や効果を最大化させる方法を解説」も参考にしてください。
ショルダープレス
ショルダープレスは肩を鍛えられるトレーニングマシーンです。
ショルダープレスの使い方は、下記のとおりとなります。
- イスに座った時にバーが耳たぶの高さに来るように、イスの高さを調整する
- バーをしたから握る
- バーを天井に向かって持ち上げる
- ゆっくりと元の位置まで下ろす
背もたれに背中を付けた状態でやるのがポイントです。バーの握る位置によって、肩の前側を鍛えることもできます。
ショルダープレスについては「ショルダープレスのやり方や効果を最大化させる方法を解説」も参考にしてください。
クランチ
クランチは腹筋を鍛えるトレーニングです。シックスパックに割れた腹筋や、くびれのあるお腹を作るのにおすすめ。
クランチのやり方は、下記のとおりです。
- 床に軽く膝を曲げて、仰向けで寝る
- 手を太ももの上におき、擦りながら上がる
- 元の位置にゆっくりと戻る
上体は最後まで起き上がらせる必要はありません。40度ほど起き上がっていれば、腹筋に効果があります。
腹筋するときに、手を頭の後ろで組むのをやめましょう。疲れてきたときに手で上げてしまい、いきおいで首をケガしてしまうこともあります。手の位置は太ももの上に置くのがおすすめです。
クランチについては「【お腹痩せ筋トレ】クランチの正しいやり方と効果を高める方法」も参考にしてください。
トレーニングメニューの作り方
トレーニングメニューを作るときは、目的に合わせて作ることが重要です。ここではトレーニングメニューの作り方を紹介していきますので、参考にしてみてください。
トレーニングメニューの作り方は「【フィジカルトレーニング】メニューの作り方や鍛え方を紹介」も参考にしてください。
負荷・回数・セット数・インターバル
ウエイトトレーニングは目的に合わせて負荷や、回数を調整することが重要です。
目的別の設定方法は、下記の通りとなります。
負荷 | 回数 | セット数 | インターバル | |
筋力 | 6RM | 6回 | 3~5セット | 1分~1分30秒 |
筋肥大 | 8~12RM | 8~12回 | 3~5セット | 1分~1分30秒 |
RMとは「レペティション・マキシマム」の略で、最大反復回数のことです。例えば10RMの場合には、10回で限界に達して、11回目ができない重量となります。
カラダ作りが目的の人は、筋肥大を中心のメニューをしましょう。高重量で回数を多くすることで、効率よく筋肉が付けられます。
パフォーマンスアップが目的の人は、筋力の設定がおすすめです。また、シーズン中に筋力を維持したい人にも適しています。
回数・セット数・負荷・インターバルは、下記の記事も参考にしてみてください。
トレーニング頻度
トレーニングは頻度が多いほど効果的に鍛えられますが、休息日を設けることも重要です。トレーニングすることで筋肉が傷ついた状態となり、修復していくことで、元の状態よりも太くなっていきます。このことを超回復といい、スケジュールを作るときに重要です。
トレーニングを始めたばかりの頃は、週2日~3日のペースで始めてみましょう。下記が週2日でトレーニングする場合のスケジュール例です。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
筋トレ | 休息日 | 休息日 | 筋トレ | 休息日 | 休息日 | 休息日 |
トレーニングをしたら2,3日間隔を空けてから、トレーニング日を設定しましょう。
トレーニング頻度は「筋トレには休息日が大切!効果的なトレーニング頻度も解説」も参考にしてください。
トレーニング頻度を増やしたいときは、分割法を取り入れましょう。
分割法とは部位別に分けて行う方法で、各部位のボリュームを増やすことが可能です。特にオフシーズンで身体づくりをする時に、取り入れようにしてみましょう。
分割法は「分割法で筋トレの効率アップ!部位分けのやり方やメリットを解説」も参考にしてください。
トレーニングはサイクルを考えることが重要
スポーツ選手の場合は年間でトレーニングスケジュールを作ることが重要です。現在がシーズン中なのか、オフシーズンなのかによって、トレーニングを使い分けましょう。
シーズン中(試合期)はカラダ作りよりも筋肉の維持や、パフォーマンスの向上を目的としたトレーニングがおすすめです。筋肉痛が残るようなトレーニングをしてしまうと、試合でパフォーマンスが落ちてしまうこともあります。
オフシーズンはしっかりと追い込んで、カラダ作りをしましょう。試合中にケガしないことや、成績を向上させるために重要です。
トレーニングサイクルは「パフォーマンス向上とは?トレーニングサイクルの組み方を紹介」も参考にしてください。
筋肉を付けるためのポイント
筋肉を付けるためにはトレーニングだけでなく、食事などにも気を付ける必要があります。筋肉を付けるために重要なポイントを紹介していきますので、参考にしてみてください。
筋肉の付け方は「筋肉の付け方とは?効果的なトレーニング法も解説」も参考にしてください。
タンパク質を摂取する
筋トレによって傷ついた部位を修復するために、タンパク質が必要となります。
タンパク質は体重1kgあたり1g摂るようにしましょう。トレーニングや練習の頻度が多い人は、体重1㎏あたり1.6gほど摂るのがおすすめです。
タンパク質は肉や、魚、卵、大豆製品に多く含まれています。食事に多く取り入れて、積極的に食べるようにしましょう。
トレーニング後30分間はゴールデンタイムと言われ、栄養が吸収されやすい状態となります。トレーニング後すぐに食事するのが良いですが、難しい人はプロテインを飲むのがおすすめです。
タンパク質は「筋トレ後はタンパク質を摂取しよう!目安量や摂取のコツも解説」も参考にしてください。
炭水化物を摂取する
筋トレする時には炭水化物も摂取しましょう。
炭水化物は身体を動かすためのエネルギーです。このエネルギーが枯渇してしまうと、パフォーマンスの低下につながるため、最後まで追い込めないことや、普段よりもトレーニングボリュームが減ってしまうこともあります。
トレーニング中に糖質がエネルギーとして利用できなくなると、体内に残っているタンパク質や、筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまいます。筋トレすることが逆効果となってしまいますので注意しましょう。
炭水化物は「筋トレの効果を高めるには炭水化物が重要!理由や摂取目安も解説」も参考にしてください。
睡眠時間を確保する
筋トレしている人は、睡眠時間を確保することも重要です。
寝ている人気に成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンとタンパク質が合成することで、筋トレで傷ついた筋肉が修復し、元の状態よりも太くなっていきます。
睡眠不足になると成長ホルモンの分泌量も減ってしまうため、筋肉が付きにくくなるので注意が必要です。
また、睡眠不足になると、ストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンが分泌されると過食の原因となり、太りやすくなってしまうので注意しましょう。
ジムでトレーニングしてテニスのパフォーマンスを向上させよう
テニスでおすすめのウエイトトレーニングを紹介しました。
上半身を鍛えることでサーブの安定感や、スマッシュを強く打てるようになります。また、体幹力も鍛えることで安定感が増し、不安定な状態でも強くボールを打てるようになるのが魅力です。
下半身の筋肉はステップワーク向上のための基礎筋力として、鍛えるようにしましょう。脚はジャンプや、切り返しにより、負担が大きくかかる部位でもあります。ケガを予防するためにも、トレーニングしておくことが重要です。
テニスのパフォーマンスを向上させたい人や、ケガ予防のためにも、ウエイトトレーニングを始めてみてください。
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参照文献