トレーニングに慣れてきたので、少しずつステップアップしていきたい人もいるのではないでしょうか。
今まで週1回、2回だったのを週4回、5回に増やすことも検討している人もいますよね。
そんな人におすすめなのが分割法です。身体を休ませながら筋トレができるので、今以上に効率を上げられます。
分割法のやり方や、メリットを解説しますので参考にしてください。
トレーニングの分割法とは
分割法とは体を部位別に分けて筋トレする方法のことです。
例えば上半身と下半身の2分割、胸・背中・足・腕の4分割などの分け方があります。全身一気にやると1部位当たりの種目が少なくなりますが、分割法にすれば種目数を増やすことが可能です。
一部位当たりの種目数を増やすことで、多くの刺激を与えられます。また、運動強度を上げたり、トレーニング頻度を増やしたい場合にも効果的です。
分割法を取り入れるときは週何回筋トレするのかで、何分割にするのか決めましょう。週3日以上で通えない場合には全身満遍なくするのがおすすめです。
分割法のメリット
分割法は週当たりのトレーニング回数を増やせる人ほどオススメな方法です。
おすすめの理由や、取り入れるメリットを解説します。
一部位を集中的に鍛えられる
全身を一度に鍛える場合には、体力的にも1部位当たり1~2種目程になると思います。全身で合計すると7~10種目くらいをこなす人が多いのではないでしょうか。
しかし、分割法を取り入れれば1部位当たり4種目以上することも可能です。
脚と一口に言っても複数の筋肉で構成されています。1部位だと足のなかの1つの筋肉しか鍛えられないこともありますが、分割すれば複数の筋肉に刺激を与えることが可能です。
複数の筋肉に刺激を与えることで、きれいにボディメイクできたり、効率よく筋肉を発達させたりできます。
休息日を作れる
筋肉を鍛えるうえで筋トレすることは重要ですが、それ以上に休息日も大切です。
トレーニングすると筋繊維や、毛細血管が切れて、傷ついた状態になっています。この状態の時に栄養補給や、睡眠をしっかりとることで、筋肉が元の太さより太くなっていきます。
この仕組みのことを超回復と言い、筋肉を成長させるのに重要な要素です。
分割法にすれば部位ごとの休息日を作りながら、トレーニング日数を増やせます。これから増やそうとしている人は、休息日をいつにするのかも考えておきましょう。
休息日をについては、「筋トレには休息日が大切!理由や過ごし方を紹介」も参考にしてください。
ルーティーンを作りやすい
分割法を取り入れると、何曜日はどこの部位、トレーニング日の間隔は1日おきなど、サイクルを決めやすくなります。
日々の生活をルーティーン化しやすいため、スケジュールも組みやすくなるのが特徴です。
1回あたりの時間も、全身やるよりも短くなります。短時間で集中しできるのもメリットです。
ルーティーンを決めると休息日も固定されるので、やりすぎを防ぐこともできます。
短時間でトレーニングができる
全身バランスよくトレーニングしようとすると、ボリュームが多くなってしまうこともあります。トレーニングも非常に時間がかかるため、ある程度余裕を持っておくことが重要です。
部位ごとに分ければ種目数を減らすことができるため、短時間で筋肉を鍛えられます。また、短時間でできるため、集中力も続きやすく、最後まで筋肉を十分に意識しながら鍛えることができるでしょう。
長時間の確保は難しいけれども、隙間時間でサクッと、効率よく鍛えたい人にもおすすめのトレーニング法です。
分割法のやりかた
分割法は大きく分けて2分割、3分割、4分割の3種類あります。これ以上で分けることもできますが、ボディビルのコンテストに出るような上級者向けです。
各分割法のトレーニングメニューや、スケジュールの組み方を紹介します。
2分割(初心者向け)
2分割でやる人は、トレーニング日が連続してしまう人におすすめです。
特に土日休みで、2日連続して筋トレするような人は、2分割にしましょう。2日間連続で全身を鍛えてしまうと身体が回復していないため、効率も悪くなってしまいます。
2分割にするときは上半身と下半身に分けるのがおすすめです。このように分ければ同じ部位を鍛えることもないので、休ませながら筋トレできます。
トレーニング日が空く場合には、全身鍛える日を2回するのもおすすめです。
筋トレメニュー例
2分割に分けるときは、上半身と下半身に分けましょう。
トレーニングには下記の種類があります。
上半身
下半身
- レッグプレス(大腿四頭筋)
- レッグエクステンション(大腿直筋)
- レッグカール(ハムストリングス)
- インナーサイ(内転筋)
- アウターサイ(大殿筋)
- カーフレイズ(ふくらはぎ)
体力的に余裕のある人は、トレーニング種目を増やしていきましょう。
スケジュール例
2分割の場合のスケジュールは下記のとおりです。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 |
休み | 休み | 休み | 休み | 休み | 上半身 | 下半身 |
表のように筋トレ日が連続してしまう場合には、上半身と下半身に分けましょう。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 |
休み | 全身 | 休み | 休み | 全身 | 休み | 休み |
上記のように間隔があく場合には、全身やるのがおすすめです。
全身やる場合にはトレーニング日の間隔を、2日以上空けるようにしましょう。間隔が1日しか空いていないと、筋肉が回復しきれていないこともあります。
3分割(中級者向け)
3分割の場合には「胸・背中」「腕・肩」「下半身」の3種類に分けましょう。
胸や背中を鍛えると同時に前腕や、二の腕も一緒に使われます。腕を鍛えようとしても、最後まで追い込めないことも。
腕と肩を別の日に変更して、しっかりと追い込めるようします。
腕や肩は小さな複数の筋肉で構成されているため、別日に細かく鍛えてあげるのがおすすめです。
鍛えるときはバーベルで一気に追い込むだけでなく、ダンベルも利用して小さい筋肉まで鍛えましょう。
筋トレメニュー例
3分割の場合には「胸・背中」「肩・腕」「下半身」がおすすめです。
トレーニングは下記の種類があります。
胸・背中
腕・肩
- ショルダープレス(三角筋)
- アームカール(上腕二頭筋)
- フレンチプレス(上腕三頭筋)
- サイドレイズ(三角筋)
- ハンマーカール(上腕二頭筋)
- ダンベルフレンチプレス(上腕三頭筋)
下半身
- レッグプレス(大腿四頭筋)
- レッグエクステンション(大腿直筋)
- レッグカール(ハムストリングス)
- インナーサイ(内転筋)
- アウターサイ(大殿筋)
- カーフレイズ(ふくらはぎ)
各部位2~3種目を目安にトレーニングしましょう。体力的に余裕のある人は各部位1種目ずつ増やしてください。
スケジュール例
3分割のスケジュール例は下記のとおりです。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 |
胸・背中 | 休み | 下半身 | 休み | 肩・腕 | 休み | 休み |
1~2日間隔を空けて次のトレーニングができます。休みの間隔を長くとれるので、筋肉痛が出るくらい追い込むのもおすすめです。
また、曜日という分け方でなく、筋トレしたら1日休むことを繰り返すこともできます。
曜日で分けない例
胸・背中→休み→下半身→休み→肩・腕→休み→胸・背中
これを繰り返していく3分割もおすすめです。
4分割(上級者・トレーニー向け)
4分割の場合には「胸」「背中」「肩・腕」「下半身」で分けましょう。
体の中でも大きな部位を1つずつに分けられるので、細かいところまでしっかりと鍛えられます。特に大きい筋肉は小さい筋肉が複合的に組み合わさっているので、種目数を増やすのがおすすめです。
また、胸、背中、肩・腕、下半身の分け方以外にも、人によって分割方法が異なることもあります。
4分割は上級者向けのやり方になるのでバーベルや、ダンベル、マシンなどさまざま種目を覚えることが重要です。
筋トレメニュー例
4分割の場合には「胸」「背中」「肩・腕」「下半身」がオーソドックスな方法です。
トレーニングは下記の種類があります。
胸(大胸筋)
背中(広背筋・脊柱起立筋)
- デッドリフト
- バックエクステンション
- ラットプルダウン
- ローイング
- チンニング
- ダンベルロー
腕・肩
- ショルダープレス(三角筋)
- アームカール(上腕二頭筋)
- プレスダウン(上腕三頭筋)
- サイドレイズ(三角筋)
- ハンマーカール(上腕二頭筋)
- ダンベルフレンチプレス(上腕三頭筋)
下半身
- レッグプレス(大腿四頭筋)
- レッグエクステンション(大腿直筋)
- レッグカール(ハムストリングス)
- インナーサイ(内転筋)
- アウターサイ(大殿筋)
- カーフレイズ(ふくらはぎ)
胸と背中にボリュームを持たすことができます。4分割にするときは毎月1~2種目を変えながらやるのがおすすめです。
スケジュール例
4分割のスケジュール例は下記のとおりです
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 |
胸 | 背中 | 下半身 | 休み | 肩・腕 | 休み | 休み |
3日連続トレーニングしたのち1日休んで、腕・肩の順番でやるようにしています。これは胸と背中の種目が増えた分、腕の筋肉を多く使うことを考慮したやり方です。
曜日別ではなく休みの日ベースで組むこともできます。
スケジュール例
胸→背中→下半身→腕・肩→休み→休み→胸
上記のように繰り返していくのもおすすめです。
トレーニングの回数・セット
トレーニングは目的によって回数や、セット数を変える必要があります。
目的別の回数や、セット数は下記のとおりです。
目的 | 回数 | セット数 |
ダイエット | 20回 | 3セット |
筋肥大 | 8~12回 | 3セット |
パワーアップ | 1~3回 | 3セット |
痩せたい人は回数が多くなり、パワーをつけたい人は回数が少なくなります。
セット数は3セットを基準とし、体力に自信のある人は最大で5セットまでやってみましょう。
負荷については、その回数をやった時に少しつらいと感じるくらいがおすすめです。
トレーニングの回数や、セット数は「筋トレの負荷・回数・セット数はどうやって決める?目的別の正しい設定方法を解説」も参考にしてください。
トレーニング負荷
トレーニング負荷は、筋トレの効果を最大限に得るためにも重要です。目的に合った負荷が設定できていないと、思ったような効果を望めません。
筋トレの負荷は、下記のように設定しましょう。
目的 | 負荷 |
パワー | 1~3RM |
筋力 | 6RM |
筋肥大 | 8~12RM |
ダイエット | 20RM |
RM・・・「レペティション・マキシマム」の略で、最大反復回数のことを指します。
例:10RMとは10回が最大反復回数で、11回目ができない負荷。
パワーをつけたい人は高重量・低回数となり、ダイエット目的の人は低重量・高回数となります。
筋トレに慣れていない人や、初めての種目の場合には、10回で調整するのがおすすめです。また、初めのうちはどのくらいの重量が扱えるかわからないと思うので、軽い重量から始めていくようにしましょう。
分割法を取り入れるときの注意点
分割法は効率よく鍛えられますが、いくつか気を付けなければいけないこともあります。
ここでは注意点をまとめますので、参考にしてください。
同じ部位を2日連続でやらない
分割法のメリットは休息日を作りながら、トレーニング日数を増やせることです。
同じ部位を2日連続でやってしまうと疲労がとれておらず、分割した意味がなくなってしまいます。
筋肉の回復は部位によって異なりますが、最低でも24時間から72時間は空けるようにしましょう。
分割法するときにも完全休息日は作るようにしましょう。無理してやりすぎてしまうとオーバートレーニングとなり、鬱状態みたいになってしまうこともあります。
筋肉の回復については「筋肉痛の時はトレーニングを控えよう!超回復の仕組みも紹介」も参考にしてください。
筋トレ頻度に合わせて分割する
筋トレを何分割に分けるのかは、週に何回トレーニングの時間を作れるのかで考えましょう。
週4回以上のトレーニングを予定している人は、4分割以上に分けるのがおすすめです。2分割で分けてしまうと筋肉が回復するまでの時間が足りず、逆効果となってしまいます。
また、週1回しかトレーニングしない人が4分割に分けるのも逆効果です。この場合には鍛える回数が足らないため、効果が薄くなってしまいます。週に1回の筋トレを予定している人は、全身鍛えるようにしましょう。
トレーニング頻度については「筋トレには休息日が大切!効果的なトレーニング頻度も解説」も参考にしてください。
休息日を決めておく
分割法は休息日を作りながら、毎日のようにトレーニングできるのがメリットです。
しかし、腕や肩は胸や、背中のトレーニングでも協働筋として利用しているため、ほとんど回復していない可能性があります。また、筋肉の回復はできていても体力的にきつかったり、精神的に疲れていたりすることもあるはずです。疲労感が溜まっている状態でのトレーニングは、オーバートレーニングを引き起こす可能性あるため、逆効果となってしまうことがあります。
身体を休ませるためにも、週1~2回は全くトレーニングをしない完全休養日を作るようにしましょう。
栄養を多く摂る
分割法は1週間当たりのトレーニング量が増えるので、食事の内容が大切です。
特にタンパク質は筋肉を作るうえで重要な成分となるため、意識して多く摂るようにしましょう。摂取量の目安としては体重1kgあたり2gほどのタンパク質がおすすめです。
タンパク質については、「筋トレ後はタンパク質を摂取しよう!目安量や摂取のコツも解説」も参考にしてください
炭水化物も体を動かすためのエネルギーとなるので重要です。また、タンパク質の吸収を助ける働きもあるので、一緒に摂取するようにしましょう。
炭水化物は「筋トレの効果を高めるには炭水化物が重要!理由や摂取目安も解説」も参考にしてください。
腹筋も取り入れる
分割法で腹筋だけの日を作る人は、ほとんどいません。
しかし美しい腹筋を手に入れるためや、体幹を安定させるためにもやっておくことは重要です。
休みの日を削ってまで取り入れる必要はなく、トレーニング日に余っている体力で2~3種目を行いましょう。腹筋はクランチや、レッグレイズだけでなく、プランクを取り入れるのもおすすめです。
週に1~2回ほど取り入れられていれば、十分に効果を感じられます。
腹筋をやるときにも最低でも24時間は空けるようにしましょう。
レベルに合わせて分割する
自分の体力レベルに合わせて分割数を決めましょう。
筋トレを始めたばかりの頃に4分割、5分割と増やしてしまうと非常にきつく、挫折してしまう原因にもなりかねません。
まずは上半身と下半身の2分割から始めて、慣れてきたら2分割のまま、週3回4回とトレーニング頻度を増やせるようにしていきましょう。週4回以上トレーニングできる体力が付いてきたり、時間を確保できるようになったりしたら、4分割以上の分割法を取り入れてみてください。
トレーニング頻度が増える場合には休息日が大切となるので、スケジュール管理をしっかりとするようにしましょう。
オーバートレーニングに注意する
分割法は身体をパーツごとに分けてトレーニングするため、1回あたりのボリュームや、トレーニング頻度を増やすことが可能です。全身バランスよくトレーニングするよりも、効率よく身体を鍛えられます。
しかし、トレーニングをやりすぎてしまうと、オーバートレーニングになってしまう可能性でもあるので、注意してください。オーバートレーニングになると慢性的な疲労感に襲われ、精神的な安定しなくなったり、身体に不調が出たりします。
身体に疲労感があるときは無理してトレーニングせずに、休むこともトレーニングと思って、休息日とするようにしましょう。
分割法を取り入れてトレーニング効率を上げよう
分割法のメリットや、やり方について紹介しました。
分割法は休息日を確保しながらトレーニング日を増やせるため、効率よく鍛えられます。
分割法には2~4分割までありますので自分の体力や、レベルに合わせて選択しましょう。
ぜひ分割法を取り入れて、トレーニング効率をアップさせてください。
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参照文献